池田裕美子の「星空スケッチ」
今週は、伊東自然歴史案内人星空の会、遠山敬二さんに
こと座のベガにまつわる神話をお話しいただきました。

アポロンの子(ゼウスの孫)であるオルフェウスは
竪琴の名手でした。
その音色を聞いた者、誰をも魅了し引き付ける力を持っていました。
オルフェウスの妻であるエウリュディケは
オルフェウスのために花を摘んでいたとき、毒蛇に咬まれて
死んでしまいます。
オルフェウスは悲しみ
妻を返してもらおうと、冥界へ向かいます。
三途の川の渡し守は生きている人間を決して冥界に渡すことはありません。
案の定、オルフェウスが頼み込んでも川を渡してもらえませんでした。
そこでオルフェウスは琴を弾くと
その音色に感激した渡し守は
オルフェウスを冥界へと案内しました。
冥界につくと
頭が3つある犬、ケルベルスが牙を剥いて待っていました。
そこでオルフェウスは、また竪琴を奏でます。
犬さえも手懐けるオルフェウスの琴。
ケルベルスはその音色におとなしくなり
オルフェウスは冥界の奥へと進みます。
冥界の王、ハーデスは
オルフェウスを見つけ
「冥界に足を踏み込んだ生きている人間を、現世に戻す訳にはいかない」と
怒りましたが、オルフェウスが琴を奏でると
その素晴らしい音色に心を奪われていまします。
ハーデスはオルフェウスを前に、後ろにエウリュディケ(妻)を歩かせ
「現世につくまでは決して振り返ってはならない」という条件をつけました。
もしも振り返ったら、妻は冥界に戻されてしまう。
写真:Wikipedia

冥界を出て、後少しで現世に着くというところで
本当にエウリュディケは着いてきているのだろうか?
ハーデスに騙されているのではないか?
何も聞こえない、感じない。
声も気配もないことに不安になってしまったオルフェウスは
とうとう振り向いてしまったのです。
振り向くとエウリュディケはとても悲しい顔をして
その姿は冥界へと連れ戻され、小さくなっていきました。
オルフェウスは後悔し、苦しみました。
その後、トラキアの女たちがオルフェウスに言い寄りますが
オルフェウスはエウリュディケが忘れられず
見向きもしませんでした。
バカにされたと感じたトラキアの女たちは
オルフェウスを八つ裂きにして、首を斬り、川へ流しました。
写真:モロー

あまりにも悲しい死を遂げたオルフェウスを思い
アポロンはゼウスに頼み
オルフェウスの魂のこもった琴を空に上げ
星にしたそうです。
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
なんで振り向いたオルフェウス~(TдT)
遠山さんの話を聞きながら
思わずそう叫んでいました。
星になった…で終わりなの?
いろいろ調べてみたら
亡くなったオルフェウスは、冥界へ行き
ようやくエウリュディケと再会し
幸せになった。
という結末もあることがわかり
少しホッとしました。
夏、秋の夜空に輝くこと座には、こんな神話があったんですね。
神話には悲恋が多く、切なくなりますが
秋にはピッタリのお話でした。
星座にまつわる神話
この先も楽しみです。
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