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  • 池田裕美子

星空スケッチ104

星空スケッチ104回目の放送です。

次回が3年目のスタート

今回は2年目のラストを飾る特別編です。


「星の本」のコーナーを拡大して放送。

今回ご紹介する本は

作:宮下恵茉 絵:染川ゆかり

「キミと、いつか。星空の願い」

です。

なんと作家さんご本人に文章でインタビューさせて頂きました。



ラジオで読ませていただきましたが

せっかく宮下恵茉さんに書いてもらった文章です。

ラジオで耳から入ってくる声も良いですが

その文を目で読むことで、感じ方も違ってくるのではないか?

と思い、ブログに上げさせていただきます。



【質問】宮下恵茉さん、プロフィールを教えてください


大阪府出身、京都市在住。

2007年、第15回小川未明文学賞大賞受賞作『ジジ きみと歩いた』(学研プラス)でデビュー。同作で児童文芸新人賞受賞。主な作品に『あの日、ブルームーンに。』、『スマイルムーンの夜に』(ポプラ社)、「龍神王子!」シリーズ、「学園ファイブスターズ」シリーズ(講談社青い鳥文庫)、「キミと、いつか。」シリーズ(集英社みらい文庫)など多数。

【質問】本を書こうと思ったきっかけは?


 高校時代、わたしはあまり学校になじめていませんでした。

そんなとき、わたしの書いた芥川龍之介の『羅生門』の感想文を担任の先生が大絶賛してくれました。それをきっかけに、先生から様々なジャンルの本を貸してもらうようになりました。その中でわたしがおもしろいと思ったのが児童文学でした。そこからはたくさんの児童文学作品を読むようになり、大学も日本で唯一児童文学を学べる大学へと進学しました。将来は、児童書の編集者になれるといいなと思っていました。そんなある日、所属していた創作ゼミで教官であり児童文学作家でもある川村たかし先生からわたしの書いた掌編をほめてもらえました。そのことがきっかけで、作家になりたいと思うようになりました。作家になるにはどうしたらいいのかなんてまったくわからないのに、(プロの作家さんにほめてもらえたんだから、作家になれるに違いない!)と思い込んでしまったのです。でも、大学を卒業して1年後にわたしは結婚をしてしまい、その後すぐ子どもができたので忙しくて作品を書く余裕がありませんでした。上の子が1歳半の時に、高校時代、私に児童文学を学ぶように教えてくれた担任の先生からの年賀状に、「あなたの母校の大学主催の童話賞に一度チャレンジしてみてはいかがですか」と書いてありました。力試しのつもりで応募してみました。子どもを寝かしつけて、夫も寝た後、キッチンのダイニングテーブルで原稿用紙に手書きで10枚前後ほどの作品を、ほぼ一晩で書き上げました。すると、その作品で大賞を射止めたのです。この作品は、他の優秀賞や佳作の方の作品と一緒にポプラ社さんから短編集という形で出版されました。

これで、あ、やっぱり、私、作家になれるかも!と、ますます調子に乗ってしまいました。これが、今から20年もまえのことです。ですが二人目、三人目の子ができてまた各時間がとれず、結局デビューにはつながりませんでした。その後、三人目の子が幼稚園に入ったタイミングで、児童文学を学ぶ勉強会に入会し、そこからは末っ子が幼稚園にいる三年の間にデビューするぞと決めました。入会して1年目、とにかくなんでもいいから賞を取って、実績を積もうと思い、手当たり次第に公募に出しました。枚数さえあっていればいいと、月に最低でも1つ。多いときは三つくらいに作品を出していました。ですが、どれもことごとく落選。(これがだめでも、まだ他にもあるから)とどんどこ出しましたが、どれもどんどこ落選でした。

 これではイカンと思って、二年目からは賞を厳選しました。賞金が高額で、必ずデビューできる賞を狙い、その賞の過去の作品を研究して、傾向と対策を練りました。

そして書いたのがデビュー作の『ジジ きみと歩いた』です。

そうしてやっと念願の作家になることができました。今から13年前です。

【質問】今回紹介する本の紹介


 集英社みらい文庫から3月19日発売された『キミと、いつか。星空の“願い”』です。

この「キミと、いつか」シリーズは2016年3月からつづいているシリーズで、今作で13巻目になります。児童書業界では1万部出ればヒット作と言われていますが、このシリーズは累計35万部の人気シリーズとなりました。主人公はつつじ台中学という郊外にある学校へ通う中学一年生の女の子たちです。1冊読み切りスタイルで、毎回主人公の女の子が変わります。恋愛をテーマに書いていますが、それだけではなく、友だちや家族との関わり、将来への不安なども盛り込み、中学生たちの成長を描いています。13巻の『星空の“願い”』では、おさななじみの夏月と祥吾の物語です。ずっとお互いを意識しながらも距離を縮められずにいたふたりが、祥吾の飼っている犬のワン太郎の死によってその関係性が変わっていく様子を描いています。「きみいつ」シリーズには毎回たくさん読者の子たちからお手紙がとどき、それぞれのなやみごとを相談してくれます。顔も知らないわたしだからこそ、悩みを打ち明けられるのかもしれないなと思いながら、毎日原稿を書く前に一通ずつお返事を書いています。

【質問】星空の番組なので「星空の願い」のサブタイトルの意味や思い


 サブタイトルの星空の“願い”は、どうしても叶いそうにないとわかっていても、ふたりで星に祈る…という場面からつけました。

わたしは町中で育ったのであまりきれいな星空を見ることなく大人になってしまいましたが、大学生のころ、部活の合宿で長野県を訪れた時、はじめて『降るような星空』を見たことがあります。まばたきする間に星がぴゅんぴゅん流れていくのを見て、今まで知らずにいたけれど、自分は光に満ちた夜空の下で生きていたんだなと実感しました。その時の感動は数十年経った今でも忘れられません。そのせいで、わたしの作品には星空や月がモチーフになっている作品が多いのかもしれません。

【質問】恵茉さんといえば、龍神王子!シリーズ、キミと、いつか。シリーズ

多くのファンから指示を受けている作品を多く世に出しておりますが

いつもファン(読み手)に向けて心掛けていることは?


 こどもは、未来を作っていく存在です。そんなこどもたちに向けて、読み終えたときに、明日が来るのが楽しみだなと思ってもらえるような作品作りを心掛けています。

こどもの頃、わたしはかぎっ子でした。家に帰り、誰もいない部屋でひとりぼっちでいる時間がさみしくてたまりませんでした。そんなとき、わたしをすくってくれたのが本でした。

ページをめくるだけでワクワクして、自分をここではないどこかへ連れて行ってくれる。

だから読書が大好きでした。それからずっと、親との関係、友だちとのすれちがい、進路への不安などで眠れなくなるほど悩んだときにも、いつも本に助けられていたような気がします。

だから、作品を書く時にはいつもあのころの自分が読んでおもしろいと思うかどうか、も大切にしています。

【質問】これから出版される本について

 4月に講談社青い鳥文庫から『学園ファイブスターズ③5つの星がそろうとき』が出ます。

こちらは「きみいつ」シリーズとはちがって、一度見たものを絶対にわすれないという目に不思議な能力を持つ女の子が主人公の学園バトルものです。

また、同じく4月に文響社から『たまごの魔法屋トワ』という中学年(小学校2~4年生)向きの新しいシリーズが始まります。魔法使い見習いだった10歳の女の子・トワがひょんなことからふしぎなたまごをだすことができるうさぎのぬいぐるみを手に入れたところから話がはじまります。普段は小学校高学年から中学生向けのお話を書いており、中学年でのシリーズは初めてなのでどきどきしています。

【質問】こどもたちへ何かメッセージを


 現在、新型コロナウイルスの影響で思うような日々を過ごせていないこどもたちが多いと思います。アニメや動画や映画やゲームで時間を過ごすこともいいと思いますが、普段読むことのなかった本に手を伸ばしてみてはどうかな?と思います。

わたしの母はとても厳しい人でした。わたしが読む本にも厳しくて、買い与えられるのはあまりおもしろくなさそうな本ばかり。だから大人にすすめられて読む本は嫌いでした。

でも、図書館に行くようになり、自分で好きな本を選ぶようになってからは読書が楽しくなりました。そうしてさまざまな本を読むうちに、昔母親からすすめられて読むのがいやだと思っていた本をぱらぱらと読んでみると、意外とおもしろかったんです。

だから、まずは自分がおもしろそうだなと思う本を手に取ってみてください。

読書が楽しくなってきたら、今度はちょっとだけ難しそうな本にもチャレンジしてみてください。本の中には普通に生活していては知らなかったこと、体験できないことが、たくさん書かれています。それまで知らなかった言葉を得たり、本の中の一節が、その時の悩みからすくってくれたりすることもあります。

本は人生を豊かにしてくれます。

いつか、あなただけの一冊が見つかるといいですね。

星空ソングのリクエストもお願いいたします。


好きな星空ソング、たくさんあるのですけど、ふと頭の中で流れたのは

中島美嘉さんの「Orion」です。

ちょっとせつない歌詞をきくたびに頭の中で物語のいろんなシーンが思い浮かびます。




宮下恵茉さん

本当にありがとうございました。





星空スケッチ放送100回を記念し企画した星空フォトコンテストの

入賞作品20点を展示する星空写真展

いよいよ4月6日からスタートします。

全国各地からのステキな星空をご鑑賞ください。




次回は105回目

星空スケッチ2周年

3年目のスタートです。


新しい星空案内人をお迎えします。

どうぞお楽しみに!!!


【星・宇宙の質問募集】

皆様から、星、宇宙の質問疑問を募集しています。

毎日のように新しい発見のある宇宙。わからないことや不思議なこと

まだまだ謎はいっぱいです。

普段から不思議に思っていることなど

気軽な気持ちで質問してください。

星空案内人がお答えいたします。



質問例

Q:宇宙はどこまで広がってるの?

Q:星が光るのはなぜ?

Q:流れ星はどこから来るの?

などなど素朴な疑問を投げかけてくださいね!


【メッセージ募集】

番組に対する意見や感想。星空案内人の皆さんへのメッセージ

ステキな星空や月夜に出会った思い出

星や宇宙のエピソードなど何でもOKです

メッセージお待ちしております。


【星空ソング募集】

星や流れ星、月、夜空などなど星や宇宙のワードが交わる星空ソング

星や宇宙や月が出てこなくても

星を見上げるときに流れていたらいいなと思う曲などなど

皆さんの思う星空ソングを募集しています。

リクエストしてくださいね。



【放送日】

毎週月曜日14時

金曜日19時

日曜日5時、11時


聴いてね(^▽^)/

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